言いたいこと言えない

きむらさとしの日記

勘違いすんな

今年もそろそろ終わる。
10月なのでちょっと早いけど、寒くなるともう年末を意識しちゃうな。

今年は何かと激動な一年だった。
その中で個人的に大きな気づきがあったのでお知らせしたい。

僕は善人ではないということ。

これだけ聞くと「あ〜〜らきむら先生またお得意のネガティヴですか?」と思われてしまうのは当然なんだけど、そうではなく、
正確に言えば
「自分の正義を盲信しすぎていてそれを他人に押し付けていた」ことに気づいた、
ということ。

そのきっかけは、今年の頭の大失恋。
細かいことは割愛するけど、
主な原因は僕の心の弱さと承認欲求。

そんで、分かりやすく荒れた。
飲めないくせに酒を飲み、夜中まで遊び、生活が苦しくなるほどに金を使い、遠くへ行き、ライブをし、弾き語りをした。
少し背伸びした生活をしていた。

その中で人を傷つけ自分を傷つけていき、
ようやく気づいた。
僕は善人ではないと。

おせーよ!!!!

今まで僕は、誰かの言いつけを守ることで褒められ、そこから承認欲求を満たしていることが多かった。
学校ちゃんと行って偉い、成績が良くて偉い、学級委員やって偉い、ちゃんとルールを守って偉い、
就活してて偉い、お金貯めてて偉い、など。
とにかく「規律を守る」ことに特化しながらやってきたので、規律に疑問も無く、むしろ守れない人々を見下していた。
でも違う。ほんとは羨ましかった。
そして真似してみたらやり方も下手でどんどん歪みが出てきて、
その怒りを多方面にぶつけた。

たくさんの人に迷惑をかけ、そんなことをいざ知らず「僕は今つらいです。悲しいです。助けて下さい」と走り回っていた。
そんなものは悪だ。ほんとにあの時はすみません、本当に………

「きむらくんは大人だね」と言ってくれる年上の人もいたけど、それは取り繕うのがちょっとうまかっただけで、中身はギトギトでした。うえーん!

しかし、そこに気づけてよかった。
僕にとっての正義(規律を守ること)が、他人にとっても正義かどうかは分からないし、
お互いに譲歩していかなくちゃいけない。
それに、正義を守れない事情を汲まないと話も進まない。
闇雲に「お前は道を外した!」と断罪するのは簡単だけど、そっから話が進まなくなってしまう!

とにかく僕は自分を諦めることができた。
自分に期待せず、わりと気を抜くとすぐ道理から道を外す奴だと把握することで、
自分をもっと簡単にコントロールできるようになった気がする。

僕は善人ではない。
その言葉はとっても清々しく胸に染み付いた。

ほんとに皆さんにお世話になって、
無事僕は道から外れました。
ありがとうございます。